変わったレコード パートⅢ
WHAT IS JAZZ (ジャズとは何か?)
解説:LEONARD BERNSTEIN
演奏: 〃
OMNIBUS SERIES CBSソニー
一寸面白いレコードが出てきました??
ジャズとは何か??
続き!! パート靴世茵
●リズムには2つの面があるのです。その始めはビートです。そのビートはドラマーが足で
ベース・ドラムを叩く時・・・
ベース・ドラム・ビート(ジミー・クロフォード)
或いはベース奏者がべーすをひく時に・・・
ベースの音(エデー・ジョンズ)
又ピアニストが足でペダルをふむ時に皆様がきくものです。これはすべての基本的な要素
です。ビートにはどんな曲に於ても(それが2拍子であり、4拍子であっても)終始テンポ
や拍子が変わらずに続けられて行くものなのです。これはいわばジャズの心臓の鼓動ともい
えるでしょう。
●だがもっと複雑で、もっと興味深いのは、このビートの上を行くリズムです。シンコペーション
(と云われろもの)によるリズムの音型です。このシンコペーションという言葉は皆さんが一度
は何処かで耳にした筈ですが、その本当の意味をご存知でしょうか
●このシンコペーションを良く解って戴く為にはこう考えたら良いでしょう。規則正しく打つ心臓
の動悸が何かのショックで止まることがある。これらは、自然の反動です.技術的にシンコペーシ
ョンとは皆様が期待する所のアクセントの移動、又は貴方が全然予測しないところにアクセント
が来る事を云うのです。どちらにしても聞く者には「驚き」とか「ショック」の要素があります。
我々の体は無くなってしまったアクセントに対して、又全然予期しない所に来るアクセントに
対してその反動のショックを受けます。
●さて、私達は何処にアクセントを予期するでしょう。常に小節のアタマにです。もしそれが2拍子
だったら最初が強く、次が弱く丁度行進する時と同じ様に、左,右、左、右、左、右、と云う様に
もし四拍子の場合でも行進と同じです。というのは我々が足を2本しか持っていないにも拘わらず
、軍曹殿は四つに数えますパップ、トゥ、スリー、フォー。パップ、トゥ、スリー、フォー 。
いつも最初のワンに自然のアクセントが付くのです。これをとってしまってごらんなさい。簡単な
シンコペーションが出来上がります。 ワン、トゥ、スリー、フォー、ワン、トゥ、スリー、
フォー。如何です。このアクセントのなくなった最初のビートに対して我々の身体は反動を示すで
しょう。
●今1つのシンコペーションの作り方はアクセントを逆にすることです。2拍と4拍の弱いビートに
アクセントを付けるのです。例えばこの様に、ワン、トゥ、スリー、フォー、ワン、トゥ、スリー、
フォー、ワン、トゥ、スリー、フォー。
●これは我々がジャズを聴く時にいつもすることでしょう。オフ・ビートの処で手を叩いたり指を
ならしたり。ワン、トゥ、スリー、フォー、ワン、トゥ、スリーフォー。
今の、これがシンコペーションの基礎的要領です。そしてこれがお解りになるならもっと複雑
な面も理解できます。
●2つのビートの間にはもっと短く、もっと弱いビートがあります。それ等アクセントを付けると
我々の受けるショックはより大きくなり、そのアクセントが弱ければ弱いほどショックは大きい
わけです。
●では1小説に速い8つのビートを数えましょう。1、2,3,4,5,6,7,8.正常のアクセントは1と5
に来ます。1、2、3、4、5、6、7、8.
●今、代りに強いアクセントを弱いビートの4に付けてみましよう。1,2,3,4、5,6,7,8。1,2,3,4、 5,6,7,8。
ルンバ・ビートによる自由な即興演奏(バック・クレイトン)
●どうです。ただ弱い4番目のビートにアクセントを付けただけで、純粋なルンバ・リズムが出来た
でしょう。勿論今迄にいった2つのことを同時にやれば最も強いシンコペーションが得られます。
●アクセントを弱いビートにつけて1番強いビートからアクセントを取ってしまいましょう。つまり
ダブル・オペレーション(二重作用操作)をするわけです。アクセントを弱い4に付け、強い5を
取ってしまいます。1,2,3,4、○、6,7,8, 1,2,3,4、○、6,7,8。
ア・フュー・リズム・ビート (ジミー・クロフォード)
コンガになりましたね。さあ皆さんシンコペーションとはどんなものかをお解りでしょう。
では、ここでシンコペーションなしに先程のブルースを演奏してみましょう。
●皆様はきっと何か本質的な要素、ジャズの生命ともいうべきものがないと感じることでしょう。
エムプティ・ベッド・ブルース -シンコペーションなしの演奏ー
(バスター・ベイリー)
何かいやに格式ばっているでしょう。これでメロディーとリズムの2つの重要な要素がお解りに
なったと思います。
●だがジャズは貴方が聴いて、それがジャズらしく聞こえる特殊なトーン・カラー(音の調子)
を欠いてはジャズとはいえないのです。
●そのカラー(音色)はたくさんありますが、多くはニグロの歌声の性質から生じています。
例えばルイ・アームストロングがトランペットを吹く時、彼は自分の歌声をラッパで吹いて
いるにすぎません。
●アーム・ストロングの「君に捧ぐるは愛のみ」のレコードを聴いて見ましょう。そしてその
トランペットと唄を比較してみて下さい。皆様はすぐに2つのソロが同じ男のものだという
事がお解りでしょう。
君に捧ぐるは愛のみ(ルイ・アームストロング)
●今度はトランペットで
同曲のトランペットによる演奏(ルイ・アームストロング)
後日に続く パート犬
解説:LEONARD BERNSTEIN
演奏: 〃
OMNIBUS SERIES CBSソニー
一寸面白いレコードが出てきました??
ジャズとは何か??
続き!! パート靴世茵
●リズムには2つの面があるのです。その始めはビートです。そのビートはドラマーが足で
ベース・ドラムを叩く時・・・
ベース・ドラム・ビート(ジミー・クロフォード)
或いはベース奏者がべーすをひく時に・・・
ベースの音(エデー・ジョンズ)
又ピアニストが足でペダルをふむ時に皆様がきくものです。これはすべての基本的な要素
です。ビートにはどんな曲に於ても(それが2拍子であり、4拍子であっても)終始テンポ
や拍子が変わらずに続けられて行くものなのです。これはいわばジャズの心臓の鼓動ともい
えるでしょう。
●だがもっと複雑で、もっと興味深いのは、このビートの上を行くリズムです。シンコペーション
(と云われろもの)によるリズムの音型です。このシンコペーションという言葉は皆さんが一度
は何処かで耳にした筈ですが、その本当の意味をご存知でしょうか
●このシンコペーションを良く解って戴く為にはこう考えたら良いでしょう。規則正しく打つ心臓
の動悸が何かのショックで止まることがある。これらは、自然の反動です.技術的にシンコペーシ
ョンとは皆様が期待する所のアクセントの移動、又は貴方が全然予測しないところにアクセント
が来る事を云うのです。どちらにしても聞く者には「驚き」とか「ショック」の要素があります。
我々の体は無くなってしまったアクセントに対して、又全然予期しない所に来るアクセントに
対してその反動のショックを受けます。
●さて、私達は何処にアクセントを予期するでしょう。常に小節のアタマにです。もしそれが2拍子
だったら最初が強く、次が弱く丁度行進する時と同じ様に、左,右、左、右、左、右、と云う様に
もし四拍子の場合でも行進と同じです。というのは我々が足を2本しか持っていないにも拘わらず
、軍曹殿は四つに数えますパップ、トゥ、スリー、フォー。パップ、トゥ、スリー、フォー 。
いつも最初のワンに自然のアクセントが付くのです。これをとってしまってごらんなさい。簡単な
シンコペーションが出来上がります。 ワン、トゥ、スリー、フォー、ワン、トゥ、スリー、
フォー。如何です。このアクセントのなくなった最初のビートに対して我々の身体は反動を示すで
しょう。
●今1つのシンコペーションの作り方はアクセントを逆にすることです。2拍と4拍の弱いビートに
アクセントを付けるのです。例えばこの様に、ワン、トゥ、スリー、フォー、ワン、トゥ、スリー、
フォー、ワン、トゥ、スリー、フォー。
●これは我々がジャズを聴く時にいつもすることでしょう。オフ・ビートの処で手を叩いたり指を
ならしたり。ワン、トゥ、スリー、フォー、ワン、トゥ、スリーフォー。
今の、これがシンコペーションの基礎的要領です。そしてこれがお解りになるならもっと複雑
な面も理解できます。
●2つのビートの間にはもっと短く、もっと弱いビートがあります。それ等アクセントを付けると
我々の受けるショックはより大きくなり、そのアクセントが弱ければ弱いほどショックは大きい
わけです。
●では1小説に速い8つのビートを数えましょう。1、2,3,4,5,6,7,8.正常のアクセントは1と5
に来ます。1、2、3、4、5、6、7、8.
●今、代りに強いアクセントを弱いビートの4に付けてみましよう。1,2,3,4、5,6,7,8。1,2,3,4、 5,6,7,8。
ルンバ・ビートによる自由な即興演奏(バック・クレイトン)
●どうです。ただ弱い4番目のビートにアクセントを付けただけで、純粋なルンバ・リズムが出来た
でしょう。勿論今迄にいった2つのことを同時にやれば最も強いシンコペーションが得られます。
●アクセントを弱いビートにつけて1番強いビートからアクセントを取ってしまいましょう。つまり
ダブル・オペレーション(二重作用操作)をするわけです。アクセントを弱い4に付け、強い5を
取ってしまいます。1,2,3,4、○、6,7,8, 1,2,3,4、○、6,7,8。
ア・フュー・リズム・ビート (ジミー・クロフォード)
コンガになりましたね。さあ皆さんシンコペーションとはどんなものかをお解りでしょう。
では、ここでシンコペーションなしに先程のブルースを演奏してみましょう。
●皆様はきっと何か本質的な要素、ジャズの生命ともいうべきものがないと感じることでしょう。
エムプティ・ベッド・ブルース -シンコペーションなしの演奏ー
(バスター・ベイリー)
何かいやに格式ばっているでしょう。これでメロディーとリズムの2つの重要な要素がお解りに
なったと思います。
●だがジャズは貴方が聴いて、それがジャズらしく聞こえる特殊なトーン・カラー(音の調子)
を欠いてはジャズとはいえないのです。
●そのカラー(音色)はたくさんありますが、多くはニグロの歌声の性質から生じています。
例えばルイ・アームストロングがトランペットを吹く時、彼は自分の歌声をラッパで吹いて
いるにすぎません。
●アーム・ストロングの「君に捧ぐるは愛のみ」のレコードを聴いて見ましょう。そしてその
トランペットと唄を比較してみて下さい。皆様はすぐに2つのソロが同じ男のものだという
事がお解りでしょう。
君に捧ぐるは愛のみ(ルイ・アームストロング)
●今度はトランペットで
同曲のトランペットによる演奏(ルイ・アームストロング)
後日に続く パート犬